日中未来創発ワークショップin沼津 第一回イベントレポート

茶話日記

このたび、茶話日和は「日中未来創発ワークショップ」という、日中両国の学生が日本と中国の未来におけるさまざまな協力の可能性について考える交流型のワークショッププログラムのプレ開催に参加しました。

 

そこで、当日のイベントについて、時系列で報告をして行きたいと思います!

 

 

8:30 東京駅集合

書類を記入、ネームプレートをつけました。知らない人たちが多く集まっていたので、ワクワクした気持ちと、緊張感がありました。

 

 

9:00 新幹線に乗る

座席は予めバラバラに選んだ乗車券で決まりました。お隣だったメンバーで各々自己紹介をしていきました。出身地やサークル、趣味などについて話をしました。後で、尋ねた自己紹介を発表する時間が設けられると聞いたので、必死にメモを取っていました。様々な大学から、日本人学生、中国人留学生が参加していました。

 

 

10:00 バスに乗る

バス内で、改めて全員に向けた自己紹介を行いました。

東京大学、早稲田打学、立命館大学、京都大学、日本大学の方々が参加していました。

面白い趣味を持つ方がたくさんいました(アイロンかけ?飲酒、勉強…)。その後、新幹線で隣だったの方の他者紹介をしました。皆意外とお互いのことをしっかり覚えていました。内容は、食べることが好きな人が多い印象でした。

 

 

沼津市で毎週日曜日に海岸清掃を行っているボランティア団体「地球をきれいにする会」さんの紹介もありました。

 

 

その後、海岸清掃についての説明が行われました。

何を拾ったら良いのか?流木、藁ゴミ、ペッドボトル、小さいプラスチック、自然由来のものはどうするか?という疑問がありましたが、ボランティア団体は何を拾ってよいか指定はしていないので、広いエリアを空き缶と瓶だけ拾う人もいれば、藁ゴミを拾う人、タバコの吸い殻だけを拾う人もいるとお聞きして、安心しました。

 

 

 

 

10:40-10:50  海に到着 ゴミ拾いの説明

海のごみ問題を考えるにあたり、皆で実際にゴミを拾うことは最も良い方法だと感じました。私たちは早速、トング、ビニール袋を持って、砂浜側のゴミを見て回りました。

感想としては、ビニールゴミ、プラスチックゴミが多いことに気づきました。ゴミが大きいものから小さなものまで沢山落ちていたため、トングで拾うだけでは間に合わず、小さなものは手で拾っていました。また、プラスチックだけでなく、木製のものなども多かったことも印象的でした。また、目薬、ライター、ペッドボトルのキャップ、ラベル、ブルーシートの破片などもありました。

ネギが落ちていたことは非常に驚きました。さらに、流木に絡まってゴミがくっついていたり、土の中にすでに埋もれていることが多い印象も受けました。そして、ガラスもたくさん落ちていました。海岸で靴を履いていない人が多いので、大変危ないと感じました。10分間のゴミ清掃でゴミ袋がいっぱいになっていたので、海のゴミ問題は思った以上に深刻でした。

 

この海岸清掃では、ほかの参加者と親睦を深めるにあたって非常に良い役割を果たしました。どんなごみが落ちていたか、その話題を軸に、様々な参加者と話が出来他のは良かったです。

 

 

11:20 沼津御用邸で昼食

主催を代表して尾形さんからご挨拶がありました。

今回の、日中未来創発ワークショップは、日本と中国の50周年の交流を記念して立ち上げ、

日本の学生と中国の留学生との交流を目的としているそうです。

様々な背景を持った人とかかわることで、お互いの背景について目を向けることがあるのではないかというお考えに、非常に共感しました。

日本人同士、中国人同士でのギャップ、違いを考える、これからの自己、他者との考えにつながると思います。

 

 

12:15 沼津についての説明

沼津の魅力についての説明を受けました。昼食で提供されたお汁には駿河湾でとれる桜エビが入っていたことを知りました。沼津は日本一長い海岸線を持つことでも有名だそうです。さらに、みかんやしらす、お茶などの名産品も多くあります。また、人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台としても知られているそうです。さまざまな要素が組み合わさった沼津は、人々にとって魅力的な場所だということを学びました。

 

 

 

12:20 御用邸見学

この沼津御用邸は、大正天皇がここでお休みになられていたそうです。西付属邸や東付属邸も見学することができます。私たちは、沼津垣と呼ばれる特別な造りの建物を訪れました。この建物は海風が強い地域にあるため、特別な構造が施されていま市tだ。その後、広大な防空壕を見学しました。防空壕内には水がたまっており、その大きさに驚きました。

他には、茶室や歴史民俗資料館も利用できると案内がありました。別の機会にゆっくり見てまわりたいです。

 

 

 

13:00 インタビューとカードゲーム

茶話日和メンバーは、高橋さんと田中さんという関係者の方々にインタビューを行う班と、ワークショップを行う班に分かれました。インタビューの詳細は別記事として掲載しているので、カードゲームについてのみ報告します。

 

 

参加者たちは、カードゲームを通じて、町の環境改善について考えました。このカードゲームは、

グループ内で「役職」を担当しました。役職の活動によって技術力や市民意識、ごみの量、便利度などの数値が変動するという仕組みでした。ごみの量を減らすことが理想でしたが、その他の数値も同時に減少してしまうというジレンマに直面しました。ゴミの削減だけでなく、技術力や便利さの向上も必要な課題であることを実感しました。

 

 

他の学生グループのメンバーは、自動車製造工場の経営者を担当しました。最初は個人の利益を追求しようと考えましたが、ゲームを進めるうちに環境保護の重要性を理解しました。自動車を作る選択をしたことに後悔しましたが、住民意識の向上と、ゴミの削減に向けて行動を起こすように提案をしました。しかし、便利さとゴミ問題のトレードオフに疑問を抱きました。最終的には、参加者たちが便利さを向上させる方法を見つけ、町はゴミ問題が残るものの、高い住民意識と技術力を持つ町となりました。

 

 

このカードゲームを通じて、参加者たちは現実世界の課題を体感しました。環境保護と便利さのバランスや、個人の利益と共通の利益の関係について考える機会となりました。また、参加者同士が連携し、持ち場の役割を果たすことの重要性も実感しました。

 

 

 

 

14:20 専門家の講演会

海洋政策研究所の研究員である田中広太郎さんによる、海洋政策についての講演が行われました。まず、海洋問題に関する世界の動きや各国の取り組みが紹介されました。海洋は世界を繋ぐものであり、国際連携が必要不可欠であることが強調されました。国連環境総会(UNEA)では、プラスチック汚染を終わらせるための法的拘束力のある国際約束を作るための取り組みが行われていることを知りました。

 

G7やG20でも海ごみ削減に向けたハイレベルの合意がされており、各国は背景に応じた法的な規制の整備に取り組んでいるそうです。中国ではプラスチック汚染対策が強化され、日本ではプラスチックに関する資源循環を促進する法律が制定されました。また、都市ごとに廃棄物ゼロの取り組みが行われており、現地のNPOやステークホルダーとの連携による実際のアクションが行われていると仰っていました。

 

海洋ゴミの回収技術や海洋汚染の対策も様々であることを学びました。この問題に対して、科学的な知見の蓄積や技術開発が必要であり、広範囲にわたる海洋ゴミの検出のための衛星リモートセンシングが活用されているらしいです。一方で、海洋汚染は複合的な問題であり、マイクロビーズの削減や海洋に優しい製品の開発など、様々な取り組みが必要だということです。

 

日本では、例えば、海岸清掃活動や海ごみゼロウイークなど、身近で参加可能な活動も行われていることもお聞きしました。また、海ごみの問題は個々のモラルの問題ではなく、社会全体の構造や意識改革が必要であることが指摘されました。駿河湾では新たな水産資源の可視化手法の改革が行われており、国連海洋科学の10年という取り組みも進められています。

 

海洋問題への認識を広めるため、田中さんのような若手専門家のネットワーク拡大や支援が行われています。ECOP JAPANやプロジェクトマナティなど、研究や民間、ボランティアの連携による活動が進められているそうです。

 

講演会では、世界が海で繋がっていることや多元的なステークホルダーとのつながりの重要性が強調されました。誰もができることがあり、立場に関係なく取り組むことができるというメッセージが私たち学生に伝えられました。海洋問題への理解を深め、個々の行動を通じて貢献することが必要だと改めて感じました。

 

 

 

 

14:50 ワークショップ

このワークショップでは、カードゲームの続きとして、参加者たちがカードゲームのキャラクターとして海の環境問題に対する問題点と解決策を考えて発表する機会が与えられました。茶話日和の2人のメンバーをピックアップしてお伝えします。

 

1人目の学生は、農家の役職を担当しました。彼自身が農業に詳しいことを活かし、グループメンバーに農業の重要性を伝えながら、環境のために農業業界が何をすることができるかを考えていました。彼の発表は非常に素晴らしいものでした。各グループがしっかりと発表を作り上げ、斬新なアイデアを提案していたことに驚きました。

 

 

2人目の学生は、自動車工場を担当しました。最初のグループ内の意見交換で、自分の利益を確保しながら、環境問題を考えることができるのではないか、という意見を出していました。この提案に他のグループメンバーも賛成し、最終的に自動車業界をテーマにしていました。問題点として、EV車の普及のみが環境問題を解決できるのかということに疑問を抱いたそうで、解決策としては、エコ・ポイントという加点制度を考案していました。環境に優しい車の使用に対してポイントを付与し、国際的な協力体制で施策を実施し、ポイントを為替レートでクーポンとして利用できるようにするという提案でした。彼女たちは国際協力の必要性を強調していました。

 

 

このワークショップでは、参加者たちは自身が担当したキャラクターを通じて、環境問題に関する考えを深めました。さまざまな役職からの視点を持つことで、個々の職業が環境保護にどのような役割を果たせるかを考える機会となりました。

 

 

 

 

まとめ

日中未来創発ワークショップは、海洋問題について楽しく学ぶ機会でした。学生たちは海岸清掃の実地体験を通じて、海ごみの問題が身近で深刻な問題であることを認識しました。また、沼津の魅力を体験し、工夫されたゲームを行うことで、海の問題を理解するためのアイデアを出し合うことが出来ました。最終発表では、環境問題への意識向上や技術革新、産業へのAIの活用など、様々なアイデアが提案されました。これらを通じて、海洋問題に対する関心を高め、日中の学生が共に未来を創造する大切さを実感しました。

 

 

河野萌依