茶話日和は今年4月ごろより韓国、釜山大学の「韓日大学文化交流会(한일대학문화교류희)」さんと月に1回程度交流会を行ってきました。
今回は、この韓日大学文化交流会のメンバーであるタクヒョンジョンさんにインタビューを行いました。ヒョンジョンさんは釜山大学国際学部にご所属です。
ご出身はどちらですか
釜山です。現在は実家に暮らしていますが、そろそろひとり暮らしをしたいなとも考えています。
釜山はどのようなところですか
釜山は、日本で例えるなら大阪みたいな感じですかね。人が面白くて、強い雰囲気もあります。釜山弁は、なんとなく関西弁みたいな感じだと思います。海に近くて、空港があるので観光都市になっています。少しインターナショナルな感じがありますね。
この大学と専攻を選んだのはなぜですか
大学というよりは、学部に惹かれて選びました。私の学部は、授業が全部英語で行われて、先生も海外の人が多いです。オープンマインドな雰囲気です。あとは、詳しい専攻を決めるまでに時間がある学部なので、いろんな分野の勉強ができます。
日本に興味を持ったきっかけはなんですか
韓国の中学生や高校生の間では、日本のアニメが流行っていて、日本のアニメも見ていました。その後には、高校生の頃、「グローバルフォーラム」というものがあって、日本の高校生と会って交流したりもしました。その時から日本語に興味があり、わりに喋れる方だったので日本の高校生とバディを組んだり、日本の高校に直接行ったりもしました。逆に、日本の高校生が韓国に来たときにバディをしたこともあります。そのくらいの時から真剣に日本の文化に興味を持つようになりました。
一番興味があるものといえば本ですね。作家さんが好きです。今も日本の新しい文学を読むことが好きです。今も坂口安吾さんの本を読んでいます。
本は韓国語に翻訳されたものを読まれるのですか
一番初めに読んだ本は『羅生門』です。初めは韓国語で読みましたが、日本語に興味を持ってからは日本語で読みたいと思うようになりました。私は先生に教えてもらうよりも、自分で読めるようになりたいという気持ちがあったので、同じ内容を韓国語・日本語の両方で表記している本で勉強しました。昔の言葉遣いに多く触れているので、芥川龍之介のような話し方になってしまって困っています。(笑)高校生の時、日本の友達に会って、「話し方おかしいよ」と言われたことも。アニメから日本語を学んだ人がオタクみたいな話し方になることもありますが、私の場合は太宰や芥川のような文豪風の話し方になってしまいました。日本語の話し方で言うと、本や学校で習う日本語はイントネーション、抑揚が結構強いです。「こんにちはア⤴️」という感じで。なので、今は注意して話しています。
趣味や今はまっているものは何かありますか
私は基本的にはインドア派ですね。先程お話しした本もそうですが、家で掃除をしたり、片付けをしたりするのも好きですし、オイルやキャンドルを楽しむことも好きです。ドキュメンタリーを見ることも好きですね。NHKの原始時代のドキュメンタリーもCGがすごくて見ていました。あとは、バンドミュージックが好きで、コンサートやフェスティバルにも行きます。最近韓国だとコロナの状況が落ち着いてきていて、そろそろコンサートやフェスティバルが開催されそうで期待しています。全部行くつもりです。(笑)日本のバンドだとスピッツが好きですね。
そして、どちらかというと強い雰囲気のバンド音楽が好きです。最近は、韓国でもテレビでバンドサバイバル番組があり、以前よりも人気が増えたように思います。韓国と日本の両方の音楽をぜんぶ聴いていますし、日本のロックフェスティバルにも行ってみたいです。
韓国の音楽と聞くとついアイドルを思い浮かべてしまいますね。
そうですね。バンドももちろんあるにはあるのですが、KPOPアイドルのイメージが強くありますね。私もアイドルも好きですよ。
将来の夢などありますか
将来の夢として、なりたい職業はずっとあって。変わったことは一回もないです。番組の記者になりたいです。政治や選挙を担当する記者になりたいと思っています。なので、国際政治の勉強を頑張っています。事件や出来事が起こった現場に行って、番組を作ったり記事を書いたりという活動をしたいです。
このまま大学院で勉強を続ける選択肢はありますか
韓国では大学院への進学は理系文系によっても分かれます。理系の方が、大学院に行くことが多いですね。文系で大学院というと、もちろん勉強を続けたくて行く人もいますが、はっきりとやりたい分野がない人の場合だと、韓国は今就職が非常に難しいので、そのために院に進学する人もいますね。他にも、韓国はいまだに学歴が重視される社会なので、満足のいく大学に通うことが出来ていなかった人が、もっといい大学院に進むこともあります。でも私は、大学院に進学するよりも、社会に出てキャリアをつみ、経験をしたいと思っています。勉強は大学4年で満足できそうです。
日本に来たことはありますか
旅行でいったこともありますし、私は国際系の高校に通っていたので、修学旅行や海外研修でも日本を選んで、東京に行きました。東京大学でボールペンを買いましたね(笑)京都・大阪・福岡にも行ったことがあります。最後に行ったのはコロナの前で、高校2年生の頃ですね。家族も日本に旅行することが好きなので、入国できるようになったらまた行きたいです。日本の歴史が好きなので、京都が楽しかったです。由布院温泉は日本!という感じで好きでした。釜山からも近くて。まだ韓国人の中でそれほど有名ではない場所なので、観光客が少なくてリアルな日本を感じることが出来ました。基本的には日本が好きなのでどこも楽しかったです。
食べ物だと、これは決してふざけているわけではないのですが(笑)、居酒屋で食べた卵かけご飯が一番美味しかったです。日本の卵は海外で有名な印象があります。韓国でも、卵とご飯を一緒に食べることはありますが、生で食べることはなかなかないですね。最初アニメで、卵を生でご飯にかけて混ぜて食べるというのを見た時はびっくりしました。居酒屋で初めて卵かけご飯を食べて、意外と美味しくて帰国に残っています。日本の食べ物は、韓国の食べ物と違って、味が淡い感じがして、そこが好きです。韓国の辛い食べ物も好きですが、日本の淡い味わいも好きです。韓国で日本の食べ物は結構人気で、大学のお祭りなどがあれば、たこ焼きやお好み焼きは絶対にありますね。韓国の街で、日本の食べ物のお店がどんどん増えている印象があります。日本酒が置いてある居酒屋も多いですね。韓国人は基本お酒が大好きなので。
最近東京でも韓国の料理屋さんがすごく増えていますね。韓国のドラマを意識したお店とか。
日本に来たときに、想像と違っていて驚いたところはありましたか
中学生のときは、日本といえば着物や昔のもののイメージがありました。夜に京都の清水寺の近くの繁華街に行った時に、酔っ払って何かを叫んでいるおじさんがいて(笑)。日本人はみんな静かだというイメージがあったので、お酒を飲んだ様子が韓国人と同じだと思いましたね。静かな人が多いというイメージはアニメからの印象です。
あとは、アニメや日本語の教科書だと、名前を呼ぶ時には「〇〇ちゃん」と呼ぶ、とありましたが、実際だとあまり使っていないなと思いました。初対面の男子高校生に〇〇ちゃん!と話しかけたことがあります。今思うと少し恥ずかしいですね。
高校生活はどのようなものでしたか
高校は、男子校、女子校と男女別になっているところが多いです。大学入試で人生が決まるので、高校生活は勉強がメインイベントという感じでした。なので、ドラマのような高校生の恋愛は正直あまりないですかね。高校時代は、毎月試験がありましたし、スヌンに向けた準備期間として、高校一年生からは勉強を多くしていました。中学生の頃の方が遊んでいたと思います。ただ、やりたいことが決まっていて、国際系や外国語系など目的がある高校に入るためには試験を受ける必要があるので、中学生から勉強が大変な人もいます。ドラマに出てくるような恋愛もあるのかもしれませんが、私の目で見たことは一回もありません(笑)。でも日本も同じような感じですよね。アニメやドラマで見ると、青春!という雰囲気ですが、話を聞くと、勉強をたくさんしていますよね。
日本のドラマを見たことがありますか
私が中学生の頃に、坂口健太郎さんという俳優さんが韓国で大人気になりました。私はその隣にいた山崎賢人さんが好きでした。それで、山崎賢人さんの作品を見たら、毎回隣には菅田将暉さんがいて。この人かっこいいと思って、ドラマをたくさん見ました。私の友達の中には、日本の女優さんが好きで雑誌を買っている人もいました。有名なドラマは結構見たと思います。
ドラマといえば、韓国のドラマは恋愛ものが多いですね。結局恋愛のストーリーになってしまうというか。恋愛以外のドラマを求める人は、外国のドラマを見ています。日本とか、海外のドラマは恋愛が全てではないものがあるので、そこがいいですね。日本のものだと、ドラマよりもアニメが人気です。日本人より韓国人の方がアニメ見ているのではないか、ってくらいみんな見ていますね。Netflixのような、アニメ専用のプラットフォームがあります。多分、日本のアニメファンではない人よりも詳しいですね。
日本の学生と話してみていかがですか
韓国と日本、政治や歴史の問題もありますけど、だからといって人と人の交流がなくなってしまったら悲しいですよね。なので、交流が大事だと思っています。
インタビューご協力ありがとうございました!
*写真はご本人提供