日本語教師が教える!第2外国語学習のコツとは!?

人を知る

外国語学習から逃げて大学生活を送ることは出来ません。英語だけでなく中国語や韓国語といった第2外国語が必修科目に指定されている学校がほとんどでしょう。就職活動でも英語試験のスコアは年々重要視される傾向にあります。語学が苦手な方にとっては地獄に等しい状況かもしれません。

ここで、我々茶話日和は韓国・新羅大学にて日本語を教えている吹上淳子教授に取材を行いました。海外で生活し、海外の学生に日本語を指導するなかで体験したことについて語って頂きました。

1. 吹上教授の半生

-どういう経緯で韓国に渡ったのですか?

「大学生の時に韓国人留学生の知り合いがいて、そのツテで韓国の大学から日本語ネイティブ講師の仕事のオファーを頂いたんです。『外国で働くってかっこいいな』と思い、2年間だけ働くつもりが結婚してしまってそのまま。20年も日本語教師として暮らしています」

-オフアーを頂けたんですか。珍しい。

「その当時、韓国には日本語を学びたい人が沢山いたみたいですが、ビザとか条件もあって日本人講師が少なかった。私はその条件を満たしていて、2週間でオファーを受けるか決めなきゃいけなかったんです。勢いで決めました。勢い大事ですよ」

-本当に勢いで?すごいですね。

「でもその後、外国人に日本語を教える難しさを感じて、日本語教育そのものを学びに大学院に行きました。日本語の指導方法や授業設計とかを身に付けるためです。外国人と日本人では持っている背景知識が違うんですよ。日本人が当たり前に使う表現が当たり前じゃなかったりして困りました。間違ったことを教えられませんから」

-とても勉強熱心ですね。今も日本語の授業が主な仕事ですか?

「責任感ですよ。今は主に、韓国で日本語教師を目指す生徒に日本語教育の方法を教えています。教育大学で行うような授業です。韓国では高校で第二外国語として日本語を学ぶので先生が必要なんです」

-他の場面で、韓国に移住して苦労したことなどありましたか?

「一番困ったのは子どもの学校教育ですね。歴史の授業で日本の植民地支配を扱うとき、先生はどうしても感情が入ってしまうみたいです。子どもに迷惑かけちゃうんじゃないかなと。私の場合は周りの人たちが配慮してくれたので助かりました。私自身も反日感情に困ったこともありません。ありがたいことです」

「でも習慣の違いには困りました。『なんでこんなことするの!』っていう事が親切だったりするんですよね。私が寂しいと思って家にズカズカ入ってくるとか、親切心から魚をむしってくれたり、エビの殻をむいてくれたりするんですよね。文化の違いですよね。これが一番大変でした」

-隣の国でもこんなに習慣が違うのは驚きです。それでも異国に単身飛び込んでいける気概に頭が上がりません。

 

2. 韓国における日本語の立ち位置

-韓国の学生が日本語を学ぶモチベーションは何ですか?

「昔は音楽の影響だったみたいです。最近一番聞くのはアニメとかゲームですね。ゲームで日本人とチャットしたい、とかあって学びたい人が多いみたいです。反日運動がひどい時期もありましたけど、若い子は『歴史は歴史、私は日本が好き』って割り切っていたようです」

-日本語って韓国の人にとってはどんな言葉ですか?

「外国人にとって、日本語は最初簡単な言葉ですよ。特に韓国語は語順が似ていますから。学んでいけばいくほど難しくなるんです。敬語だったり細かい言葉使いだったり、頭がパンパンになってしまうみたいです」

 

3. 外国語学習のコツ

-韓国で生活するにあたって、教授も韓国語を身に付ける必要があったと思います。教授自身はどのように韓国語を勉強されましたか?

「仕事で来ているものですから、語学堂(※)とかに行くべきだったんでしょうけど、サバイバルです。子どももできて韓国で暮らしているうちに自然と身に付きました。大学の第二外国語で少し勉強はしましたけど、来たときは読めませんでしたよ。でも他の人は語学堂に通ったり文化センターに行って勉強したりするみたいです」

(※)語学堂…韓国の大学が設置・運営する、留学生が韓国語を学ぶための学校。

-東京大学には二外で苦しんでいる学生が沢山います。外国語学習をするにあたって、どんなコツがありますか?

「興味があるものを持て、とは言うけど難しいですよね。まずは留学生とかネイティブの友達を持てばいいと思います。留学生とか日本に住んでいる人は、こっちが伝えたい内容を分かってくれるでしょ。外国語を使ってみて、自分の言葉が伝わったという経験を積むと良いんじゃないですかね。自信になりますから。私も韓国人の友達がいたから韓国語が身についたと思います。『コミュニケーション出来た!』ってやりがいと学んだ内容のアウトプットができるのでおススメです」

-これはこれで難しいような…。リーディングや文法とかはどうですか?

「私の場合は、まず耳で親しんでほしいと思います。インターネットもあってドラマを見たりゲームをしたり出来るじゃないですか。文字がわからなくても聞いていれば『あ、これはこれだ!』ってわかることがよくあるんです。まずは聞いてみるのがいいと思います。文字文法がメインなのは仕方ないんだけどねぇ」

 

吹上教授は単身韓国に移住し、たゆまぬ努力を通して生活を築き上げたパワフルな方でした。この場を借りて、ご協力に深く御礼申し上げます。そして、第二外国語学習では耳と口から外国語に触れていくことが大事とのことです。幸いなことに、東京大学には沢山の留学生がいます。せっかくの機会です。吹上教授のように勇気を持って友達になってみてはいかがでしょうか?

教授と釜山日本人会の会長である飯淵様と。インタビュー後にパシャリ。

(執筆者:大場莞爾)

大場莞爾